夫婦共通の趣味を作った、思い出の「北海道旅行」

結婚してから約30年、子育て中は、夫婦で旅行をする余裕も無く、ひたすらに生活に追われていました。

今でも思い出すのは、子育てを終えた結婚26年目の頃、日々苦労を掛け続けた妻へ感謝と労いを込めて、夫婦で北海道旅行に繰り出したことです。

二泊三日の予定で計画した北海道旅行の初日は、羽田から函館空港へ空の旅。函館空港へ着くとレンタカーを用意し、最初は自然豊かな大沼公園に行きました。

駒ヶ岳をバックに、水と緑と大地がセットになった風景が、観る角度によって幾つもの絵画のように映し出される景色に、妻の顔が今までの苦労を忘れたかのように微笑んでいました。

自然を十二分に感じ受けた後は、次の目的地の「五稜郭」に行きました。そこは歴史に興味がある私のリクエストです。

五稜郭タワーからの眺めは、星形に作り出され攻守に優れたと言われる理由が理解できました。

午後2時を過ぎたころ、初日の宿は湯の川温泉で、函館と言えば函館山からの夜景です。

そのために少し早めに宿に着くことにし、温泉で長旅の疲れを癒し、早い時間の夕食を堪能しました。

食前酒のグラスで軽く乾杯、夫婦水いらずで酒を飲むのは幾年ぶりでしょうか。26年間、妻であり主婦であり母親の三役をこなして来た妻は、少し小じわが増え貫録を備わった容姿になっていました。

しかし、この時ばかりは20年前のあどけなさが出ていたように見え、美味しそうに盛り付けられた夕食の数々に、箸をつけながら妻が一言、「ご飯の献立を考えなくていいのが主婦の幸せ。」と、言いました。

夕食を美味しく頂いた後は妻に見せたかった「函館の夜景」で、宿から出るバスに乗り函館山のロープウェイまで行きます。ロープウェイに乗車し、頂上まで数分ですが“天空の散歩”を味わうことが出来ました。

頂上に到着すると、まさに“100万ドルの夜景“と呼ばれる理由がわかりました。函館の街が宝石を散りまかれたように輝く様が目に飛び込み、その輝きで函館の輪郭が美しく映し出されているのです。

しばしの間、会話も忘れ夜景に目を奪われていると、スーッと妻の手が私の腕の間に入ってきました。

函館の夜景を目に焼き付け、再び天空の散歩で、ロープウェイを降りると、帰りはゆっくり徒歩で散策です。

洋館と教会が建ち並ぶ街並みは、開港の歴史を垣間見ることが出来、ライトアップされた洋館と教会を抜けると、弥生坂に出てきました。

まっすぐ伸びた坂の下には、一面の海が広がる港街です。

坂の上に立つ私たちは、恋愛映画の一場面に登場する主役の二人になった気分でした。その余韻を残しながらゆっくりと坂を下りていくと、函館の赤レンガ倉庫街があり、色々な地元の海産物を味わいながら、港町として華やかに栄えた函館を知ることが出来ました。

北海道旅行・二日目は、札幌・小樽を目的地に移動し、函館からは約4時間かけての車窓から望む景色は“雄大”という二文字そのものでした。

札幌の宿に荷物を置き、小樽へ移動。小樽運河沿いには、沢山のガラス細工工芸店が並び、色鮮やかなガラス細工が、大小さまざまな形や用途に合わせて展示販売されていました。

妻と腕を組み、ガラス細工を一つ一つのぞき込み、ゆっくりとした足取りで時間を過ごし、街を歩く観光客は若いカップルや家族連れ・団体グループなど、多くの人で賑わっていました。

連なるガラス細工のお店を一通り見物していくと、小樽オルゴール館に着き、覗いてみると奏でられている音色に安らぎを覚えました。

夕方まで小樽倉庫街へ足を運び、そこは地ビールがお勧めで、歴史のある倉庫に足を踏み入れると、樹のぬくもりを感じさせる装いの店内にテンションが上がります。

ここの地ビールは主に3種類で、すっきりした味わいのビルスナーは、自然に育った酵母によって、深みのある味ながら飲みやすい仕上りになっていました。

ドンケルは赤褐色が特徴のビールで、濃い目の味が好みの方にはお勧めです。次は、妻もお気に入りだったヴァイスというビールで、フルーティーな味わいでバナナ味のビールです。「ビールでバナナ味って…?」と、頭を傾げるかと思いますが、これが「旨い!」。一口で気に入った妻は、お土産として我が家に送っていました。

その後は小樽の街並みと味をしっかり記憶に留め、宿がある札幌に戻りました。

北海道最終日は、札幌時計台でツーショット写真を撮り、札幌市場でお土産のメロンとカニを購入し、昼食もそこそこに札幌空港に移動です。

羽田に向かう機内では、妻は楽しそうに行く先々で手に入れた観光パンフレットを見ていました。

北海道の雄大な土地に感銘を受けたのは、夫婦二人そろってのことで、この旅行で二人の共通の趣味が見つかったようです。

その後は、年に一回の夫婦旅行が楽しみになり、北海道へは2回、沖縄、九州、四国、山形など。

北海道に続き、さらに思い出作りを継続させています。https://www.vladimirlinencommunist.com/